ドライクリーニングとしみ抜きについて

基本的にドライクリーニングは、大量生産型のクリーニング処置です。

このため、安価で仕上がりますが、次の様なデメリットがあります。

ドライクリーニング機械によって、汚れが強い箇所、弱い箇所の区別なく画一的に処置されます。

場合によっては、複数枚の着物が画一的に同時に処置されます。

汚れの弱い部分は、画一的処置により、生地に洗浄のためのオーバーストレスを受けます。

これは、複数枚処置された場合、汚れの少ない着物も同様に生地にオーバーストレスを受けます。

複数枚を一度にドライクリーニングする場合ですが、例として20枚を一度に洗う場合、20枚の中に1枚でもカビが発生した着物が混ざっていれば、残り19枚はカビまみれとなります。

消費者契約法では、メリット、デメリットの告知等をすることを求められています。

また、クリーニング業法においても、クリーニング方法の説明義務が明示されています。

 

ドライクリーニングをご自身で選択した場合、基本的に溶剤等を衣類に残留させなくてはならないため、将来、残留溶剤等による変色、カビ等についは消費者責任としてカバーしなければなりません。

 

そのため、私はプロとして着物のドライクリーニング処置に疑問を持っています。

 

しみ抜きは、汚れを一つずつ手作業で落としていきますので、汚れの強い部分には強い洗浄力を加え、または弱い部分は弱い洗浄力を加えます。

その状態に応じた方法で処置を行いますので、生地にオーバーストレスは、ほぼ生じません。

このため、通常着用された着物には「しみ抜き」が適していると考えています。

ドライクリーニング用に溶剤を再利用する方法とは違い、いつも新しい使い捨て溶剤で処置するため、ドライクリーニングより料金は増します。

 

「ドライクリーニングに使用する液」と「しみ抜きに使用する液」には、大きな違いありますので、別の頁で説明します。

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